オーシェイ宮本の『社会人1年目』

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『残像に口紅を』を読んだ率直な感想(ややネタバレあり)

 こんにちは、オーシェイ宮本です。今回はアメトーークの読書芸人で話題になった『残像に口紅を』を読んだ感想を少し書こうと思います。(ネタバレありますので注意してください)

残像に口紅を (中公文庫)

残像に口紅を (中公文庫)

 

 個人的にはあまり面白くないなぁと思ってしまいました。

 

概要:だんだんと日本語の言葉がこの世から消えていく物語。『あ』からはじまり、次第に『か』、『ら』、『そ』など次々と言葉が消え、それに応じて、その言葉が使われているモノや、その言葉が名前の中に入っている人が消えていく。言葉、そしてモノ、人が消えていく中で、どのような感情や状況が引き起こされるのかを書いた実験的小説。

 

良かった点

・設定が斬新

→だんだんと言葉が消えるにつれ、人や物も消えていくので、普通の小説ではありえないようなことが起きているので、新鮮に感じられた。また、小説内の主人公である佐治が実際にこの小説を書いているという設定や、小説内の人たちが、『文字が消える』という、現実には起こりえない、『虚構』の中に存在していると認識しているという点なども、今まで僕が読んでいた小説には見られないものだったので、そのような小説の書き方もあるのだなと、新たに感じた。

 

・言葉が制限されることによって起きる、意外な気づき

→”言葉が制限されることによって、筆者は、現時点で使える新たな言葉を模索しなければいけない。そのような模索を行うことで、最適な表現方法を知ることができ、自分の言いたいことがもっと伝わるようになるというメリットもある”。 

言葉が消えれば、それだけ表現できるものも減ると考えて読んでいたので、このような考えがあると知って、なるほどなあ!!と思いました。

 

あまり良くなかった点

・言葉の制限以外に特に明確な目的があるわけではない

→言葉の制限によってどのような感情や出来事が起きるのかを追った作品であるので仕方がないことではあるが、それ以外の目的や、起承転結がしっかりしている物語があるわけではないので、今まで小説を好んで読んでいた僕としては少し物足りなさを感じた。

・途中から語彙の多さをひけらかしているように聞こえる。

→言葉が少なくなるにつれ、筆者がかなり難しい語彙を連発するようになる。それがあまりにも多いため、ボキャブラ自慢をしているのでは???とさえ感じてしまった。。

 

良い点、良くない点を2点ずつ挙げたが、後者の印象の方が強かったため、あまり面白いとは感じなかった。しかし、今までにないジャンルだったので、読んでみて良かったと思います。これからも読書を続けていきたいと思います。