オーシェイ宮本の『社会人1年目』

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海堂尊 『ブレイズメス1990』、『スリジエセンター1991』の紹介と感想

こんにちは、オーシェイ宮本です。今日は海堂尊による小説『ブレイズメス1990』、『スリジエセンター1991』の紹介をしたいと思います!

 

 

ブレイズメス1990 (講談社文庫)

ブレイズメス1990 (講談社文庫)

 
スリジエセンター1991 (講談社文庫)

スリジエセンター1991 (講談社文庫)

 

 

 

海堂尊さんは医療系の小説を主に書いている方で、『チーム・バチスタの栄光』や、『ジェネラルルージュの凱旋』など、他にも本当に面白い話を多く書いています!!

 


この『ブレイズメス』と『スリジエセンター』は、現在日曜劇場で放映されている『ブラックペアン』の続編にあたるものです。 3つの作品は『バブル3部作』と呼ばれ、バブル時代の医療問題や、病院経営を描いたものです。

 

ブラックペアンとブレイズメスは、話のつながりが緩やかなので、ブレイズメスから読んでも大丈夫だと思います!😆  しかし、ブレイズメスとスリジエセンターは、大きく話がつながっているので、ブレイズメスからしっかり読むことをお勧めします!!

 


『ブレイズメス1990』と『スリジエセンター1991』のあらすじ: 

東京郊外に位置する『東城大学医学部附属病院』。病院経営の改革を進める病院長、佐伯清剛は、モナコ公国で働く天才外科医、天城雪彦を招聘し、心臓外科手術を専門に行う医療機関スリジエハートセンター」の設立を指示する。

  スリジエハートセンターの設立を目指す天城雪彦と、その部下にさせられた新人医師、世良雅史の前に、既存の病院経営を維持しようとする人たちが立ちはだかります。

  無事にハートセンターを設立し、医療改革を達成できるのか。

 

 

 

感想(ややネタバレあり)


この話の面白さは天城雪彦の医療に対する考え方にあると思います。

天城雪彦は、非常に難しい、とある心臓手術ができる、世界でただ1人の存在ですが、手術を受ける人には全財産の半分を差し出せと命じる変わった医者です。

  これに対して、「医療はお金の多寡に関わらず、誰でも平等に受けられるものでなければならない。お金がある人が優先的に手術を受けられるシステムはありえない」といった考えの医者たちが、スリジエハートセンターの設立を阻みます(このセンターでも、財産の半分を要求する設定です)。 

 しかし天城は、得た金を自分で使わずに、医療の充実や、医療人の生活の向上に使おうとしています。これに対しての理解がなかなかなされず、センターの設立は難航します。

   僕は天城の考えには賛成です。お金もちから多額のお金をもらい、お金がない人から少額のお金をもらって病院を経営しても良いと思います。患者にとっては、財産の半分が失われるということで、ある意味平等でありますし、ブルジョワからのお金は、病院経営に対しての貴重な財源となるからです。

   ここで描かれるバブル期では、医療費が増大し、国家が破綻するのを恐れた厚生省が医療への予算を削減することで、病院経営が危機的状態になろうとしています。だからこそ、上記の天城の考えは、もっと検討されるべきものだったと個人的には思います。

 

 


天城と新人医師である世良の面白いやりとり、世良と看護婦の密かな恋愛、病院での権力闘争など、他にも見どころたくさんです!!是非読んでみてください!!